子供が利用するには安心・安全な製品でありたい。
そんな思いからエキスパートマテリアルズは環境を整えた。
百聞は一見にしかず─。何度も聞くより、いちど現場へ出向き、実際に手にとったほうが理解力が高まるということわざである。ARやVRといった仮想現実で表現することで世界観を理解させようとする動きもある。ただやはり実際に手にとったほうが創造力や理解力は高まる。エキスパートマテリアルズは教育現場の「百聞は一見にしかず」をより高い次元へ持ち上げられる。
教育現場ではいまSTEAMに注目が集まっている。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた内容となっている。文部科学省も「AIやIoTなどの急速な技術の進展により社会が激しく変化し、多様な課題が生じている今日、文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、さまざまな情報を活用しながらそれを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が求められています。」と定義づける。探求の授業に力をいれる学校が増えている。
手に取ることで理解深まる
ただ教育現場では大人が活用するよりも高いレベルで安心・安全な材料が求められる。指導員がそばにいたとしても予期しない事故が起こりうるからだ。3Dプリンタは安価に想像したアイデアを形にできる万能の道具。ただアレルギーだったり、万が一口に入れてしまったりといったリスクも考えられる。
この点、エキスパートマテリアルズは安心して活用できる。例えば、日本財団が中学生向けに開催する海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトが好例だ。全13回のプログラムで参加者は、まず海洋生物について徹底的に研究する。
その研究成果を3Dを活用して表現するものだ。具体的には海洋生物の標本をCT撮影し3Dデータに変換する。エキマテを使うことで、3Dプリンタで手にとってみられるようになる。エキマテで実物を出力することで専門家でも理解できなかったことが見えることがある。これまで空洞だと思われていなかったジンベイザメの歯の内部も空洞だった事が判明したりと、内部構造も忠実に再現できるのも面白い発見につながる。
こうしたように図鑑に載ってることを手元で再現できることで、子供の創造力は大きく広がる。STEAM教育で探索した内容を手にとることでより高まる。日本財団のようなプログラムはほかの分野にも応用可能だ。エキスパートマテリアルズは3D技術を幼少期から慣れ親しむことで、ものづくりの底力を高めることにも貢献していく。